怖い!ムシ歯菌・歯周病菌が血管に入り込む
- 口の中のバイ菌は怖い・・・心内膜炎・心筋梗塞・動脈硬化と関係
- 清潔な口のなかには、約400種・100億に近い細菌がいます。これらを常在菌といいます。 常在菌は清潔な口腔では体に悪いことはしません。不潔な口(清掃の悪い口腔・細菌数1,000億程度)に なるといろいろな細菌が集まって集団で膜(バイオフィルム)をかぶり悪い物質を造り出すようになります。
- これらの細菌や細菌が産生する物質や、これらに対して体が反応して出てくるたんぱく質や酵素が体に悪いことをするようになります。] 現在、ムシ歯菌や歯周病菌バイオフィルムが関係しているといわれている体の病気は次のようです。誤嚥性肺炎や呼吸器疾患、 脳血管疾患、心循環器疾患、消化器疾患、糖尿病、低体重児出産、骨粗鬆症などです。
- 細菌性心内膜炎を起こすムシ歯菌のレンサ球菌
- ムシ歯菌のレンサ球菌(ストレプトコッカスM)は細菌性心内膜炎を起こします。 血液中に入り込んだレンサ球菌は心臓弁膜に障害があると、その場所にバイオフィルムを形成し、 心内膜炎を引き起こします。
- また、歯周病のバイオフィルム細菌は、歯根歯石の周りの歯肉の上皮を貫通し、 マクロファージに取り込まれて血流中に入り込みます。
- 血流中で増殖すれば敗血症になります。 動脈内壁に付着し、血管内壁プラークの原因となり、 血管内径を狭くしたり、動脈硬化の原因にもなってしまいます。実際、内壁プラークから歯周病菌(Pg菌、Aa菌)が検出されています。
早めの歯周病、ムシ歯治療があなたを健康にします

奥田克爾東京歯科大学教授論文より
歯周病は心筋梗塞や脳梗塞になる危険性を高める恐れがあります。歯周病が進むと歯肉が出血するようになります。 出血部位から血管内に侵入した歯周病菌が血管壁の動脈硬化病巣で検出されました。 その検出率が歯周病の進行に関連して高くなることが報告されています。 歯周病菌や内毒素、歯周炎で生産されたサイトカインらが歯肉の血管から血中に入り込んで体中をかけめぐります。 そのうちに血管壁にもぐりこみ炎症を引き起こし、血管壁を硬くします(動脈硬化)。 この硬くなった血管壁が破れると血管内に血液の塊ができ、この塊に歯周病菌がついて増殖するため、 血管がせまくなって狭心症や心筋梗塞が起きやすくなってしまいます。 歯周病やムシ歯は早めの治療があなたを健康にします。