歯を守るから歯を強化するへ
- 約
- 40年前の歯の治療では歯に冠をかぶせる場合、使われている接着材は歯への接着性ではありませんでした。現在では文字通り、歯との接着性がある合成樹脂製接着剤を使用しています。これらの接着性材料は歯に作用させると象牙質の中へしみ込み、強い接着力をつくります。この象牙質の中にできた接着層を樹脂含浸層と呼びます。この層はさらに耐酸性に優れていて、ムシ歯への抵抗性が高いことが分かってきました。東京医科歯科大学の田上順次教授らの最新の発表(日本歯科医師会雑誌2012年2月号掲載)では、これらの接着材を象牙質へコーティングすることによって、象牙質と歯髄(歯の神経)を守ることができるとしています。これをレジンコーティング法と呼び、今後世界的に普及すると述べています。当院では既に5、6年前より行って良い結果を得ています。
- レジンコーティング
- 接着剤の樹脂を歯に塗って歯質を強化します。
ムシ歯が大きく歯が欠けそうな場合に接着性合成樹脂が活躍します
- 大きなムシ歯の場合
- 左の写真のような大きなムシ歯の場合、ムシ歯で軟らかくなった象牙質を取除き接着性の樹脂を詰めて、おおむね、元の大きさに修復します。
- 歯の形を整えます
- 歯の形を整え、この上から冠で被せると破折等を防ぎ、歯の神経も守ることができます。
最近多い歯のひび割れには接着剤が有効です!
- 合成樹脂性接着剤で接合
- ムシ歯の下から出てきた、ひび割れ。このままだと黄丸部分が破折する危険がありました。右上の写真のように合成樹脂性接着材でひびの部分を接合してからさらに合成樹脂でつめます。
- 接着剤をつけます
- ひびに接着剤をつけ、破折への進行をできるだけ防止します。